東京地方税理士会

Q&A教えて税理士さん®

遺産が不動産の場合<平成30年12月>

 母が死亡し、相続人は甲(私、母と生計を一にしている)と乙(妹)の2人です。居住用不動産と少額預貯金の遺産を均等に分けたいと思います。

 遺産分割の原則的方法は、現物分割ですが、代償分割、換価分割もあります。代償分割は甲が引き続き居住したい場合等に、甲が不動産を取得し、乙に対して債務(代償金)を負担する方法です。相続人が不動産を必要としない場合や、甲に資力がない等の理由で、不動産を売却して、遺産分割する換価分割もあります。なお、不動産の売却が発生するときは、譲渡所得の申告も必要となります。

 換価分割を選択し、相続税の申告期限までに売却できない場合の課税価格は、どうなりますか。

 相続税申告時に換価が行われているか否か等によっても異なりますが、申告時に分割割合が確定している時は、換価分割対象財産の相続税評価額に分割割合を乗じ、確定していない時は、法定相続分を基に計算します。

 居住用不動産を取得すると小規模宅地等の特例があると聞きました。

 甲は、被相続人と生計を一にしていた親族ですから、申告期限まで居住し、かつ所有しており、分割が確定していれば、適用できます。なお、小規模宅地等の特例により納税額が出ない場合でも相続税の申告は必要です。

(東京地方税理士会・平山紀美子)

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