東京地方税理士会

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孫の教育資金と贈与(令和5年7月)

 教育資金の贈与の特例は手続きなどの制約があり、面倒なので毎年110万円を孫に贈与してきました。孫が年を重ね、110万円では足りないので110万円以上の教育資金の援助をするには、どのようにしたらいいでしょうか?

 親や祖父母などの扶養義務者から、子や孫がもらった教育費や生活費につき、『通常必要と認められるもの』は、贈与税の課税対象となりません。ただし、数年分の教育費を一括で贈与された場合など、すぐに教育費に充当しない部分の金額は、贈与税の対象となります。

 例えば、暦年贈与として110万円を非課税で贈与しても、私が3年以内に亡くなれば、その110万円は相続財産に加算されて相続税を計算することになりますか?

 相続税への贈与の加算規定は、『相続または遺贈により財産を取得しなかった者』への贈与について適用されません。通常、孫は相続人になりませんので加算されません。

 孫を生命保険金の受取人にしたのですが、いかがでしょうか?

 孫を生命保険金の受取人にした場合、通常、遺贈によって財産を取得したものと見なされますので、相続税の2割加算の規定の適用があります。また、保険金の非課税の規定は相続人にしか適用できませんので、相続人でない孫には適用できません。さらに、孫は遺贈により財産を取得することになり、贈与財産を相続財産に加算することになります。

(回答者・平山紀美子税理士)

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