東京地方税理士会

暮らしと税

不動産賃貸業の確定申告<平成30年3月>

 不動産賃貸業を個人で行う場合、その事業から生じた所得は不動産所得とされ、確定申告が必要となります。不動産所得の金額は賃貸収入などの収入金額から、その収入を得るために直接必要な経費を差し引いて計算します。
【収入金額】
 毎年1月1日から12月31日までに計上すべき賃料や、敷金・保証金で返還不要なものが含まれます。その他、契約更新時に収入する名義書換料、承諾料、更新料などの名目で受け取るもの、預り金処理をせず共益費名目で受け取る電気料、水道代やCATV料金なども収入金額に含まれますので注意が必要です。
【必要経費】
 収入を得るために必要な一定の経費は収入金額から差し引くことができます。代表的な必要経費を紹介します。

  • ①減価償却費…不動産貸付業務に用いる固定資産(建物、器具備品など)はその資産の使用可能期間にわたって一定の方法で費用化します。定額法、定率法などの一定の方法に従って計算した金額を毎年の減価償却費として経費処理します。
  • ②租税公課…賃貸する土地や建物に係る固定資産税、登録免許税、不動産取得税などが該当します。賃貸物件以外の資産に係る固定資産税は経費となりませんので注意が必要です。
  • ③損害保険料…賃貸物件に係る火災保険料・地震保険料などが代表例です。建物更生保険などの積立部分の保険料は経費になりませんので注意が必要です。
  • ④借入金利子…賃貸物件を取得するためなどの借入金に係る利子は必要経費になります。
  • ⑤修繕費…賃貸する建物などの修理や改良のために支出したもので、通常の維持管理のため、または災害などによって壊れた固定資産について原状回復するためにかかった費用は修繕費として経費になります。

 これら以外にも経費となる項目がありますので、確定申告に必要な詳しい内容はお近くの税理士にお気軽にお問い合わせください。

(東京地方税理士会山梨県会・飯島正樹)

[←前の記事] [暮らしと税TOP] [次の記事→]