暮らしと税
約100万円の滞納を年内に、と言われたが・・・<平成27年8月>
Q | 会社員の私は、妻と両親と同居しています。5年ほど前に火災で家を失い、建て替えました。 消失した家は父の名義でしたが、今の家は私がローンを組んで建てました。土地は父のものです。妻と両親は無職で、私の給与収入と父の国民年金と合わせて何とか生活しています。 ローンの支払いがあり、固定資産税と住民税と国民健康保険料を合わせて100万円ほどの滞納があり、月3万円づつ納付しています。 先日、今月の分として3万円を持って市役所へ行ったところ、「月3万円の納付を何とか増額して、年内に完納することはできませんか。」と言われました。年内にと言われても、出来そうにありません。何か良い方法はありませんか。 |
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A | ローンを払わないと家が競売になる危険もありますね。ローンと税金の優先劣後は、ローンの抵当権設定年月日と税金の法定納期限等との前後で決まるので、普通はローンの方が優先していることが多いですね。 税金も健康保険料も新しく発生してくるので、そのことも考えて納付の計画を立てる必要があります。月々の資金繰り表を作り、2年以内に完納できる計画を立て、市役所の担当者の方に「法的に認められる分納を認めてください。新しい税金と保険料はその都度払います。」とお願いしてみて下さい。この分納は「換価の猶予」と言い、当初は1年間ですが、どうしても1年で完納できないときは、もう1年延長できるとされています。これを認められると、この間の延滞金の減免が可能になります。 |
(東京地方税理士会税法研究所・研究員 村上 稜)
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