東京地方税理士会

Q&A教えて税理士さん®

基礎控除なぜ改正?<令和元年8月>

「働き方改革を後押しする観点から所得税の基礎控除が改正されます」

具体的には、どのような改正内容ですか?

控除額が10万円引き上げられ、48万円(改正前38万円)になります。同時に、高所得者を対象に控除額が逓減・消失する仕組みが導入されます。これらの改正は、平成30(2018)年度税制改正で成立したものですが、令和2(20)年分の申告から適用になります。

逓減・消失とは、どのような仕組みですか?

所得の合計額(合計所得金額)が2400万円超から控除額が逓減し、2500万円超で控除の適用がなくなります。これには所得再分配機能を高める狙いがあります。

ところで、どうして基礎控除の引き上げが働き方改革を後押しするのですか?

最近は働き方が多様化していますので、さまざまな形で働く人を広く応援する観点から、特定の収入にのみ適用される給与所得控除と公的年金等控除を縮小し、どのような所得にでも適用される基礎控除を拡大することにしたものです。

では、給与所得控除と公的年金等控除は引き下げられるのですね?

はい。両控除は、原則として、各10万円ずつ引き下げられます。

そうすると、給与と公的年金のふたつの収入がある人は、控除額が20万円減少して負担増になりませんか?

いいえ。両方の収入がある人は、控除額の減少が合計で10万円になるように調整されます。

(東京地方税理士会・中村重和)

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