東京地方税理士会

暮らしと税

小規模宅地等の特例について<平成29年1月>

親が亡くなり、息子である私は、親が住んでいた自宅を相続しました。親が住んでいた自宅については、相続税の計算上、減額されると聞いたのですが、どのような制度ですか?

一定の要件のもと、被相続人である親が、居住の用に供していた宅地等の330㎡までの部分の評価額を、80%減額してくれるというものです。

一定の要件のもと、というのは何ですか?

お亡くなりの時、被相続人の居住の用に供されていた宅地等で、①配偶者が取得した場合は特に要件はなく、②被相続人と同居していた親族、または、③同居していない親族が取得した場合には、つぎの要件があります。②の場合には、相続税の申告期限まで、その宅地等に居住し、保有していること、また、③の場合には、被相続人に配偶者がいないこと、相続人である人が被相続人と同居していないこと、相続開始前の3年以内に、息子さんであるあなた、あなたの配偶者の所有する家屋に住んだことがないこと、相続税の申告期限まで所有していること、などが主な要件です。

私の親は、特別養護老人ホームに入居していたのですが、この特例は使えますか?

被相続人の居住の用に供されていなかった宅地等であっても、要介護認定等を受けていたこと、および、老人福祉法等に規定する特別養護老人ホーム等に入居等していた場合には適用ができます。

そのほか、この特例で気をつける点はありますか?

この特例は、申告が要件となっており、通常の計算をすると相続税が発生するが、この特例を受けると相続税が0円となる方の場合、相続税の申告が必要となりますので、ご注意ください。
 
ほかにも細かい要件がありますので、適用をご検討の際には、ぜひ一度、税理士にご相談してください。

(東京地方税理士会山梨県会・瀧口勇人)

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