東京地方税理士会

暮らしと税

ふるさと納税ワンストップ特例の注意点<平成28年3月>

  私は、確定申告をする必要がない給与所得者です。平成27年7月にふるさと納税と同時に、ワンストップ特例の申請を行いましたが、年間の医療費が多額になり、医療費控除を受けるための確定申告書を提出したいと思っています。

  何か注意点があれば教えてください。

ワンストップ特例とは、本来、所得税の確定申告が必要でないサラリーマンの方が、平成27年4月1日以降ふるさと納税(寄付)を行った場合、ワンストップ特例申請を寄付先自治体に提出することで、確定申告が不要となります。

この場合、所得税からの控除は発生せず、所得税控除分相当額を含めてふるさと納税を行った翌年の6月以降に支払う住民税の減額という形で控除が行われます。

ただし、5自治体を超えてふるさと納税を行った場合や、27年1月~3月の間に行った寄付には適用されませんので、この場合は1年分の寄付金額を合計して寄付金控除を受けるための確定申告が必要になります。

ご質問の注意点として、医療費控除を受けるための所得税の確定申告書を提出した場合は、ワンストップ特例の申請がなかったものとみなされ、確定申告をしない限り寄付金控除は受けることはできません。

従って、申告書の作成にあたっては、収入、所得、各種控除金額(医療費・寄付金など)等該当項目をすべて記載し、申告書を作成する必要があります。

すでに寄付金控除額を記載せずに確定申告書を提出してしまった場合は、3月15日までに寄付金控除を含めた申告書を作成し、「訂正申告」と朱書きし、再提出をしてください。

再提出が3月16日以降になる場合は、「更正の請求書」を提出することになります。


(東京地方税理士会税法研究所・研究員 佐藤政夫)

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