東京地方税理士会

暮らしと税

スイッチOTC薬控除の創設<平成28年9月>

[平成28年9月現在法令]

医療費控除に新しい制度ができるそうですが、具体的に内容を教えてください。

 

A

適切な健康管理のもとで医療用医薬品からの代替を進める観点から、医療費控除の特例として、スイッチOTC薬控除が創設されました。スイッチOTC(Over The Counter)薬とは、医師の処方が必要だった医薬品を薬局で買えるようにしたもののことです。

健康の維持増進及び疾病の予防のために一定の取組みを行う個人が、本人及び生計を一にする配偶者その他の親族に係る一定のスイッチOTC医薬品を購入した場合、その購入代金が年間12,000円を超えるときは、その超える部分の金額(限度額88,000円)を、その年分の総所得金額から控除できるようになります。

「一定の取組み」とは、①特定健康診査、②予防接種、③定期健康診断、④健康診査、⑤がん検診をいい、医師の関与があるものに限ります。また、「一定のスイッチOTC医薬品」とは、要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品をいいます。具体的な品目については、厚生労働省のホームページなどで公表されています。

この新しい医療費控除制度は、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間に支払ったスイッチOTC医薬品の購入費用について適用されます。また、この特例を受ける場合、現行の医療費控除を受けることができませんので注意が必要です。

(東京地方税理士会山梨県会・渡邊泰淳)

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