暮らしと税
老人ホームに入居している場合の小規模宅地等の特例について<平成27年12月>
Q | 私の母は、数年前に要介護認定を受け、特別養護老人ホームに入居し、そのまま今年亡くなりました。ホームに入居する前に住んでいた自宅は、父が亡くなったのち母が相続して所有していましたが、母が老人ホームに入居してから亡くなるまでずっと空き家でした。この自宅の敷地は、母の相続税の計算上、小規模宅地等の特例の適用を受ける、居住の用に供されていた宅地等に該当しますか。 |
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A | 平成25年度の税制改正で、老人ホームに入居したため、相続開始の時に空き家だった建物であっても、下記の要件をすべて満たす場合には、被相続人等の居住の用に供されていた宅地等に当たることとされました(平成26年1月1日以降に開始する相続又は遺贈による取得する場合から適用されています)。
ただし、その被相続人が老人ホーム等に入居等した後に、その敷地を事業の用又は新たに被相続人等(被相続人又はその被相続人と生計を一にしていた親族をいいます)以外の者の居住の用に供している場合は除きます。 ご質問の場合には、この要件をすべて満たしていますので、ご自宅の敷地は居住の用に供されていた宅地等に該当します。 なお、要介護認定の申請中に死亡した場合で、相続の開始後に被相続人に要介護認定があったときには、要介護認定等はその申請のあった日にさかのぼってその効力が生ずることとされていますので、上記(1)に該当することになります。 |
(東京地方税理士会税法研究所・研究員 木島裕子)
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