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相続財産から差し引くことができる債務等<平成30年9月>

 今年4月に父が亡くなり、財産の相続とともに父が賃貸していたアパートの建設費に充てるため借りたローンの残高も私が引き継ぎました。相続税の計算上差し引くことができるローンなどの債務には他にどのようなものがありますか?

 相続又は遺贈による財産の取得者が被相続人の債務を承継し負担するとき、被相続人の葬儀等に要した費用を負担するときは、その金額を取得した財産の価額から控除して相続税の課税価格を計算します。

 相続財産の価額から控除される債務は、相続開始の際に現に存するもので、確実と認められるものに限られます。また債務として控除できる公租公課(税金等)は被相続人の死亡の際債務の確定しているもののほか、被相続人の死亡後相続人等が納付し又は徴収されることになった所得税等の税額(準確定申告で納付すべき税額等)が含まれます。一方で、保証債務については原則として控除できませんので注意が必要です。ただし、主たる債務者が弁済不能であるために債務を履行し、かつ主たる債務者からその金額を回収できる見込みがないときは、その金額を控除することができます。また、被相続人の債務であっても相続税の非課税財産(墓所、祭具等)の取得、維持等のために生じた金額は債務控除の対象となりません。

 葬儀等に要した費用は何が控除対象となりますか?

 相続税の課税価格の計算上、葬式費用として控除することができるものは次のようなものです。

  • ①葬式や葬送に際し、又はそれらの前において、埋葬、火葬、納骨その他に要した費用
  • ②葬式に際し施与した金品で、被相続人の職業、財産その他の事情に照らして相当程度と認められるものに要した費用
  • ③①、②のほか、葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うものと認められるもの
  • ④死体の捜索又は死体若しくは遺骨の運搬に要した費用
    一方で、次のようなものは葬式費用としては取り扱わないものとされています。
  • ①香典返戻費用(香典等をいただいたことに対するお返しなので含まれません)
  • ②墓碑及び墓地、墓石、仏壇等の買入費並びに墓地の借入料
  • ③法会に要する費用(初七日、四十九日、一周忌法要などに関する費用)
  • ④医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用
    相続税についての詳しい内容はお近くの税理士にお気軽にお尋ねください。

(東京地方税理士会山梨県会・飯島正樹)

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