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相続財産に含まれる「名義預金」とは?<平成30年8月>

 昨年8月に夫が亡くなりました。
 生前に夫名義の預金を孫の名義に変えていますが贈与税の申告をしていません。今回相続税の申告にあたりその預金を相続財産に含めなければなりませんか?

 ご質問のケースの場合、相続税法では課税の公平のためその名義を変えた預金を相続財産に含めて申告することになります。

 亡くなった方の財産であった預金の名義を生前にご家族などの名義に変えた、いわゆる「名義預金」は相続財産に含まれます。それはたとえ名義を変えたとしても実際に管理、所有しているのは名義を変える前の所有者であり、名義は異なっていても実質的には亡くなった方の財産となるからです。このような、いわば「みなし財産」は預貯金の他にも単に契約者名義を変えた保険契約等も相続税の課税財産に含まれることになります。

 例えば、①保険契約者が相続人となっているが、実際は被相続人が保険料を負担していたもの、②保険契約期間の中途で契約者を相続人に変えてしまったもの、などが該当します。このような場合、預貯金や保険契約の名義変更時に贈与があったものとして贈与税の申告をすることによってみなし財産の取扱いを受けないようにすることができます。そのためには贈与契約(贈与者の意思と受贈者の意思の合致)を明確にすることと、贈与を受けた財産について贈与を受けた方が以後管理をしなければならないなどの注意点があります。

 預貯金や保険契約は土地や家屋など不動産と異なり名義変更が比較的簡単にできるので、本来相続財産に計上すべき財産であっても、名義が異なることから相続財産であることを見逃してしまう場合がありますので注意が必要です。

 相続税や贈与税についての詳しい内容はお近くの税理士にお気軽にお尋ねください。

(東京地方税理士会山梨県会・飯島正樹)

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